2003 CAN
CAN

 2003年6月4日から6月10日まで金沢市は広坂の「国際交流サロン」において,ZOKEI2人展が開かれました。
 藤井さんと栄田さんの2人展です。
2003CAN
 場所は金沢の中心部,広坂の中央公民館向かいです。
←このように土塀が続く,まるでどこにこんな展覧会をする場所があるのか,といったところにある石川県国際交流サロンです。

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→この道を曲がれば,全くの民家のよう。
 それもそのはず,大正末期に建てられた,日本的なたたずまいを残す町屋をそのまま活用した建物です。

2003CAN
←ちょっと離れて見ると,全くの民家。
 土地の広さは885.95平方m(約270坪)金沢市役所から歩いて3分にしては,贅沢な場所と広さです。
 建物は265.45平方m(約80坪)ですから,ゆったりと建てられている,つまり庭がたっぷりある,これまた素敵な町屋だったのですね。

2003CAN
→玄関から見るとこんな感じで,いかにも和風の建物です。

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←玄関を入ってまずは右手を見ると,これが土蔵なのです。
 約22平方ある土蔵をきれいに改修してあります。

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→土蔵の入り口にはこんな絵が。
 でも,誰の,なんて作品?


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←土蔵に入って左側には絵が2点。
「水深400米」 「流出」
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→右側には絵が2点。
「砂嵐」 「らち」

 藤井さんにしては(?)わかりやすい絵である。
 評論家みたいに言ったら怒られるけど,ちゃんとそれとわかる人とか物とかがかいてある。

 このあと,和室へと向かう。
 和室に並べられた作品をご覧いただきながら,6月6日の 北陸中日新聞 に載った記事を紹介しましょう。
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藤井さん,栄田さん「二人展」
現代社会えぐる力作

県国際交流サロン『排水弁』『缶』テーマ

 日本海造型会議のメンバー,栄田満さんと藤井肇さん=ともに金沢市=の二人展が広坂一ノ八ノ一四の県国際交流サロンで開催中。 栄田さんは 「DRAIN VALVE(排水弁)」 ,藤井さんは 「CAN(缶)」 をテーマに,合計十数点を展示している。 十日まで。月曜日は休み。
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栄田さんは奥座敷の三間を使って,メーン作品の 「DRAIN VALVE」
床の間に設けたバルブから,オレンジ色の細い物質が放出されている。
夕焼けに染まった水なのか,色素に染まる垂れ流しの水,あるいは物質なのか−。
大胆で小気味良い。
同じ部屋には赤と緑,青と紫にそれぞれ塗られた枝などの壁面作品も掛けられている。

2003CAN
また,藤井さんは油絵と 「CAN」 シリーズからの数点。
絵の 「水深400米」 は水面に浮く軍艦,400メートル下の海底に沈没した(させられた)白い船の対比。
このほか三点の絵もピストルを撃つアラブの女性を描く 「砂嵐」 ,黒人二人が鉄条網の中にいる 「らち」 など,藤井さんらしい現代世界の問題を投げかける。
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「CAN」 は土で形作った小さい缶に色彩が無造作に施され,緑濃い庭に並ぶ。
缶の中身を疑えばきりがないような怪しさが漂い,現代社会への問いかけがある。
現代美術に関心の深い人たちが訪れ,二人の作風を味わっている。

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 ちなみにこの国際交流サロンにはフリースペースの洋室もあります。
 今回の二人展ではその部屋は使われていません。
 また,この作品 「CAN」 の置かれている21畳の広間は掘り炬燵式の和室でもあります。

DRAIN VALVE
 続いてこれが栄田さんの 「DRAIN VALVE」 です。
 これも栄田さんらしい,色の対比も鮮やかな作品です。

 続いては 北國新聞 に載った二人展の記事を紹介しましょう。

DRAIN VALVE
和の空間で現代アート
国際交流サロン

 「栄田満・藤井肇ZOKEI二人展」(本社後援)は四日,金沢市広坂一丁目の県国際交流サロンで始まり,大正末期に建てられた和風民家の庭や室内に黄やオレンジで彩った現代アートが並び,来場者を異空間へと誘った。


DRAIN VALVE
栄田さんと藤井さんはともに環境問題を題材に,原色を使うことで「危険」を表現,次世代に美しい環境を残すよう訴えている。
緑色の配管とオレンジ色の発泡スチロールを使って汚水が流れ出る様子を表現した作品や,空き缶などに蛍光塗料を吹き付けた廃品アートが展示された。十日まで。

 それでは,最後に庭に出てみました。
 手入れの行き届いた広い和風の庭に,藤井さんの作品がごろごろ(?)
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 しかし,ここのお庭を歩くと,なかなか落ち着いた気分になるものです。
 町中ですが,結構静かです。

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 取材に行ったのは土曜日。家からここまで歩いてやってきました。
 来るときには兼六園の脇を通って来ました。
 帰りにはここからすぐの中村記念美術館のところから小立野台に上がって帰りました。
 片道1時間のちょっとした遠足気分の1日でした。

 では,お庭に出るところの踏み石をあとに,帰ります。
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