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一人はみんなのために,みんなは一人のために

 2000年度 鳴和中学校 3年6組 学級通信「energeia」第3号(2000.4.6発行)

 人間というのは一人では生きていけない生き物です。必ず集団を作り,その中で生きています。自分一人ではこの世の中を生きていくことができません。
 「俺は一人でも生きてみせる!」と言ったって,住んでいる家は自分で建てたわけじゃなし,食べ物は自分で畑を耕したわけじゃなし,着ているものはどこかで作られたもの。君たちの衣食住すべてが誰かさんのおかげ。そんな風に,みんな誰かのおかげで生活しています。
 そして,好むと好まざるとに関わらず,何らかの集団に所属しています。君たちがこの3年6組になったのも,自分から進んでではないでしょう。
 しかし,集団に所属することになったその時から,また好むと好まざるとに関わらず,何らかの仕事をしなくてはなりません。
 ということで,表題です。
 一人はみんなのために,みんなは一人のために
 このスローガン,実はちょっと古いと人は言う。
 「三銃士」というお話を知ってるかい?
 このお話,フランスの新聞「シエクル」の小説として,1844年3月から連載されたものです。そんな昔のことは誰も知らないが,作者はアレクサンドル・デュマ。私の大好きな小説「厳窟王」(あるいは「モンテクリスト伯」ともいう)の作者です。小学生のころ子ども向け「厳窟王」を読んで,何と面白いお話なのかと感動しつつ読んだものです。この主人公はダルタニャン,そして三銃士がアトス,ポルトス,アラミスの3人。で,何が「一人はみんなのために,みんなは一人のために」かと言うと,三銃士が剣を合わせて誓って言う言葉がこれだ。この間映画の「三銃士」を見ていたらこのセリフ言っていたんだな。
 話は戻るけど,この集団3年6組も,中学校の一つの学級です。中学校の学習内容をきちんと学ぶことや,中学生として,自分の進路を考え,選んでいくこと,また,将来社会人として必要な力を身につけることなど,目的を持った集団です。その目的の実現のために,一人一人は役割を分担して,みんなのためになることをやっていってもらうことになります。そういう意味で,一人一人は自分の仕事に責任を持って取り組んでいってください。
 そしてみんなは,誰かが困っていたときには助けてあげたり,協力したりしてもらうことになります。そうすることによって,この集団も高まっていき,すばらしい集団となることでしょう。また,そのことにより,一人一人も成長していくことでしょう。そのような仲間であってほしいと思います。
 さて,組織作りをしていく中で,もう一つ言っておきたいことがあります。
 それは,係・班や座席などを決めるときの「好きな者どうし」という声です。何か仕事をするときにも,その仕事を好きな者どうしで,という声が強いようです。このような気持ちは自然なことだと思います。好きな友達と班を作れば,仕事の能率が上がったり,自分の意見を強く言えたり,意見の衝突が少なかったりということがあるかもしれません。
 ですがこれから先,社会に出ると,そんな都合よく気の合う者だけ,好きな者だけで集団が作れるでしょうか。きっとそんなことはないでしょう。それともう一つ,考えの違う者,一度も一緒に仕事をしたことのない者,何となく気にくわない者と組んでみると,案外と新しい発想が生まれるものです。気の合う者どうしでは,結局自分の発想を抜け出ません。そういった意味で,同じクラスになった仲間と力を合わせて仕事をする中で,友達の新しい面を発見し,友達の良さをお互いに知り,学んでいくことができるのではないでしょうか。
 これから先,いろいろな係を決めます。座席を決めます。班を決めます。修学旅行では2日間同じ部屋で共に眠る人も決めます。2日間班行動をする人も決めます。
 そういう中で,一人一人が,クラス全体のことを考えること,ほかの一人一人のことを考えることが必要です。より楽しい学級生活を作るために,自分の世界を広げていく努力を望みます。

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