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飛び立て明日へ

1988年度 金石中学校 3年7組 学級通信「elan vital」
第150号(1989.3.15発行)

 1年間の担任とのお付き合いご苦労様でした。ではまた最後の道徳の時間の作文の中から2つだけ載せて,1年間の締めくくりとしよう。

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 この1年間はとてつもなく早かった。
 印象としては,なんてものをズケズケと言うんだろ‥‥。って思った。
 心の中で思っていても,決して口には出さない方がいいことってあるのに,そういうことにおかまいなく言っちゃうんだもん。びっくりした。2年の時,結構おとなしめClassだったから,なおさらそういうふうに思っちゃうんだろうけど。わがままなのか,素直すぎるのか,よくわかんないClassでした。
 でもこのClassになってすこーし性格かわったかな‥‥って。(自分の思い込みかも知れないけど)
 1つに,言われることの気持ちがわかってきた。人の気持ちにおかまいなく,人の心の中に入ってきて,踏みにじっていく。そういうことされていた人の気持ち。私は直接ごちゃごちゃ言われたことないから,はっきりとはわかんないけど。聞いていて,つらいな‥‥って思うことは百回,それ以上にあった。
 2つめは,そういうことから人の悪口とかって言えなくなった。(アイドルなどはけなします。)けど,言わなくなったより,正確には言えなくなったのかも知れない。いったら絶対その逆があるってことを知っていたから。
 けどやっぱり1番に,人のことぼろくそに言うほど自分は立派じゃないし,むしろその人よりも劣るものって,いっぱいあると思ったから。傷ついたり,傷つけるのが何よりもこわかったから。
 このClassって45人が集まってるのにみんな一人ひとりだったような気がする。おおぜいの中にいる方が,よっぽど一人なような気がしてた。
 この1年間とりたてておもしろかったわけではないけど,印象深いナ‥この7組ってのWA。人から手ひいてつれてってもらう人生じゃなくて,自分自身で道を選択して,自分で道を切り開いていきたい。そーゆうのってやっぱ努力だと思う。
 話はズレたけど,私は7くみになったことで,一生大切にできる宝をひろったんだからそれでいいや。

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 んー!今,この1年をふりかえって思うことは,春,クラス発表を見にいったとき,担任の先生が坂根先生だと言うことが,とてもいやでどうしようもなかったです。なぜかと言うと,私の1,2年の時の先生のクラスを見たとき,教室もきたないし,クラスのふんいきも悪かったし,先生のクラスにだけはなりたくありませんでした。でもなってしまったことはもうどうしようもないから「まぁいいかぁ」という気持ちでいました。
 でも何日かたって,3年7組になんとなくなじめるようになって,先生のこともだいぶわかってきたし,1学期の中ごろから,先生のクラスになってよかったなあと思いました。まぁこの世の中にもいろいろな人間がいるわけで,先生にも美点と欠点があるから,その美点だけを見るようになりました。私からみて先生の美点は,学級通信を出してくれたりして,人間の道徳感というものをさりげなく,たくさん教えてくれることです。
 まぁ先生の話をしていてもきりがないからやめますが,私自身もこの1年間をつうじて,自分なりにかわったなあと思っています。それは「目つき」「人に対する接し方」「言葉遣い」「物事の考え方」などいろんなことを知りました。
 先生,私思うのですが,人間ほど素晴らしい動物はないと思います。例えば「苦を苦と思わないものの考え方」よーするに,苦しいことを苦しみと思わない考え方です。そう思うことのできる動物だって,人間しかいないと思う。
 私は人間に生まれて本当によかったなぁと思います。それに人間はもう一つ素晴らしい素質を持っていると思います。
 それはほかの動物と違って,いろいろな表情をすることができることです。仏教用語で,和顔悦色施と言う言葉があります。それは柔和な微笑みをもって人に接するということです。
 今後も高校に行くことによって今まで以上の人付き合いの上手な人間になりたいと思っています。そのためには,先ほども述べたように,苦を苦とも思わないようなものの考え方,和顔悦色施を守ることです。人間なんて,1度生まれたら,必ず死ななければならないのだから,その人生を,悔いの残らない人生を歩み,ましてや人生の脱落者などと言われない人生を歩みます。
 まぁこの長かったようで,短かった1年間,先生の美点,欠点を見つけさせてもらったし,クラスの雰囲気も拝見することができたし,今の自分というものも分かってきたような気がするし,まぁ1年間いろいろなことがありました。この1年間いろいろとご苦労様でした。と同時にお疲れさま。いろいろとありがとうございました。言葉には言い表せないほどの気持ちでいっぱいの私でありました。

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 3歳までは,あったかいおふとんの中,幼稚園は,箱庭の中,小学校でようやく周りの世界が見えてきて,それでも中学校はまだぬるま湯の中。何だかんだ言ってわめいて,騒いでいても,「井の中のカワズ大海を知らず。」というやつで,大きな波を知らないみんな。結局は自分の人生は自分で引き受けるしかない。誰も代わってはくれないし,代わることのできない,かけがえのない君の人生が充実したものであることを願う。

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