辻占(つじうら)と福梅(ふくうめ)
辻占(つじうら)と福梅(ふくうめ)

辻占(つじうら)と福梅(ふくうめ)  これは金沢らしいお正月のお菓子です。
 まずは「辻占(つじうら)」。
 我が家ではお正月の挨拶を終え,年取り柿を食べ,お屠蘇をいただき,そしておせち料理の後,みんなで辻占をいただき,今年の運勢はああなる,こうなると盛り上がるのが常。
 これはこの年ご近所イオンで買った「辻占」。
 長池製菓(小松市)製。
 表には「辻占が なくては ならぬ」とあります。
 裏には辻占の由来が次のように書かれていました。
辻占(つじうら)と福梅(ふくうめ) 「辻占のはなし
 古来,琴古,歌占,夕占,橋占,などいろんな占いがありました。辻(十字に交差する所)や橋は,未知の霊魂の去来する場所として,神秘的に見られていました。辻占は辻に立ち,黄揚の櫛(つげのくし)を持って道祖神(村の守り神である道の神様)に念じ 「辻や辻四つ辻がうらの市,四つ辻うら正しかれ辻占の神」と三回歌った後,辻に来た人の言葉で吉凶を占いました。
 後には,「辻占」と称して財宝の利,恋愛の情,遊里の首尾などを「待ち人来る」「逢いたき故に」「約束通り」という風に言葉を短く書いて紙に刷り,小さな煎餅に包んだものを夜分に花街で辻占売りが売り歩いていました。
 現在,北陸・加賀地方では正月菓子として家族や来客などと一緒に辻占を楽しみ,新年には欠かすことのできない郷土文化のひとつとなっています。」
辻占(つじうら)  ということで,我が家でも新年には欠かすことのできない行事ですね。
 ついでながら,ここ2年の「辻占」の中味をいくつか紹介しましょう。
「せくに およばん」
 はい,人生は何事もゆっくりと。
「好いた お方と 添へなおる」
 保育園児の孫がこれ引いて,「よかったねえ,未来が……」「えっ,これって今年の運勢?」「じゃ,未来はどうなる?」
「酔わせて 聞きたい 事がある」
 やはりこれって,花街のもの?
 こんな感じです。
辻占(つじうら)  こちらは
「辛抱する 木に 金がなる」
 安易に闇バイトなんてしてはいけませんねえ。
「まことの 道を 守れ」
 安易に闇バイトなんてしてはいけませんねえ。
「ねても さめても」
「命に かへても」
 やはりこれって花街の占い?
「笑いの家に 福が来る」
 そうであってほしいものです。いや,いつも笑ってるって。それ笑われてるの間違いでは……
 ということで,毎年お正月は「辻占」で盛り上がるのでした。

福梅  続いては「福梅」。何といっても加賀藩前田家の御紋が梅鉢。それが由来ですね。
福梅
福梅  今回買ったものは白色ばかりでしたが,基本紅白です。
 右の写真(金沢市提供)は紅白ですね。
 (上のタイトルバックも金沢市提供)
 暮れにスーパーマーケットへ行くと,お正月用品コーナーに必ず並んでいるのがこの「福梅」ですね。
 お正月のおやつは「福梅」でした。
 昔は甘いものが好きで,まんじゅうなどもたくさん食べましたが,今ではまったく食べないので,「福梅」は子供用になっています。
 お正月の「福梅」も氷室に出てくる「氷室まんじゅう」もよく食べましたが,今はお屠蘇ですねえ……

−−  村の水車小屋の仕切り線です  −−

★おまけの話 我が家のおせち料理

 ついでながら,我が家のおせち料理を紹介しておきましょう。
 毎年お正月料理のおせち料理の写真は撮っていますが,これは2026年のお正月。中で金沢らしいものがあるかといえば,とりたててないかもしれません。
 全員とりあえずこのように一人分を盛り付けて,お正月が始まります。ちなみに,毎年微妙にお品書きは変わっています。
 ただ,父が京都は丹後半島出身(旧・与謝郡野田川町)で,我が家の通称「丹後なます」すなわち「なますの白和え」は金沢らしいのではなく,丹後の郷土料理といえるでしょう。もう物心ついた小学生の頃からお正月はいつもこれでした。父亡き後はこれを暮れに作るのは私の仕事。ということで,おまけであとに我が家のレシピが載っています。
おせち料理
 内容を紹介すると,まず中心に来るのが有頭海老の酒蒸し。尾頭付きです。
 この漆器の器の海老の周り右回りに,肉巻き,紅白飾りカマボコ,伊達巻き,さつまいものきんとん,竜眼揚げ,蓮団子の甘酢あん,松竹梅のカマボコ,ごぼう・人参・インゲンの肉巻き,春巻きの包み揚げ,チーズの包み揚げといったところ。揚げ物中心の洋風料理が並んでいます。
 それぞれに必ずや家にいる孫達が各料理を担当して作ります。
 左の器より,油揚げと焼き豆腐の炊いたん,こんにゃくなどの煮物。油揚げ好きですねえ。
 その右は黒豆。
 その隣が通称「丹後なます」。
 右の漆器の皿の上には数の子,栗,ごまめ,酢だこ,たたきゴボウ,昆布巻き。これが伝統的な和風料理でしょうか。
 そうそう,これにクワイもあるけど,数が少なく,自分の器には載ってない。
 そして右端には干し柿。通称「年取り柿」。
 年神様がやって来て,無事年を取ったということですかね。
 まずはお茶を飲んで,この年取り柿を食べてお正月が始まります。
お屠蘇  右は我が家のお屠蘇セット。
 大晦日に「屠蘇散」を日本酒に入れて準備します。
 杯は松竹梅と3種類あります。年齢の小さな順に3つの杯を順に一つずつ使って,一口呑む習わしです。つまり,その年にその場にいる人数で松竹梅のどの杯が回ってくるか分からないというしくみ。ま,小さな子供は一口分を呑み干して,酒器に残ったお屠蘇はみんなじいちゃんが呑むんですけど……

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★丹後なます(なますの白和え)のレシピ

丹後なます  丹後なます(なますの白和え)我が家のレシピ
★材料(我が家でお正月に食べる分。子供はほとんど食べないので,大人用)
 大根 まあ,2分の1本てところ。
 にんじん 中1本かな。
 木綿豆腐 1丁。
 塩 塩もみ用,小さじ1くらい使うかな。
 炒りごま 大さじ1(炒ってからするのだが,初めから時にはすりゴマというやつを使う時もある)
★調味料
 酢   大さじ4
 醤油  大さじ1
 砂糖  大さじ1
 味噌  大さじ1
 みりん 大さじ1(みりんにはアルコール分が含まれるので,酢以外の調味料を溶いて,火にかけてアルコール分を飛ばす手もあります。あるいはみりん入れなくても大丈夫。)
★作り方
(1) 大根,にんじんは「にんじんしりしり器」で千切りにする。
にんじんしりしりき  この「にんじんしりしり器」まあ,「太い千切り器」とでもいうのか。右の写真のものは我が家ですでに50年以上前からずっと使われているもの。
 前に沖縄に旅行した時にこれを「にんじんしりしり器」という名前で売られていて,そんな名前でもあるのかと感心する。
(2) 大根,にんじんに塩を振り,塩もみ。しばらく置いておく。
(3) その間に木綿豆腐を布巾に包んで水気を切り,ついでにくずす。
 最近では面倒なので,布巾も使わず,さっさとくずしてます。
(4) すり鉢でごますり。
 これに調味料を投入し,しっかりと混ぜる。
 ちなみに,すりゴマ使う時はすり鉢じゃなくて,ボウルでやっています。
(5) すり鉢(ボウル)に(1)の大根,ニンジンをしっかりとしぼって水気を切って投入。それからくずした木綿豆腐も投入して混ぜる。
 そして,しばらく置く。
(6) これをそのまま密閉容器に入れるのではなく,ここで再びしっかりとしぼってから密閉容器に入れる。この段階でもかなり水分,調味料も出てくるが,気にせず,ぐっとしぼって水分(調味液)を流して保存。これでこのあとの水っぽさも消え,味もだいたいいい感じになる。
 お正月に,ありがたくいただきます。
 日本酒のお供にぴったりです。

−−  村の水車小屋の仕切り線です  −−