ドゥシット動物園とその近辺にでかける

 さて,17日からは自分たちで観光です。
 その日は,動物園周辺に行くことになりました。
 私はタイに行くのは4度目でしたが,動物園には行ったことがなく,楽しみにしながらホテルを出発しました。
 ホテルからはバスで行こうと思っていたのですが,動物園近くまで行くというバスが通る道がどれか分からなかったので,とりあえずは目的地の方向に向かって歩いていくことにしました。
 タイはとても暑いので,最初から歩いていくつもりにはなれないのですが,バスに乗るつもりで歩いていたらいつの間にか着いてしまいました。
 
 最初に,現在の王様ラーマ9世が住んでいるチットラダー宮殿の横を通りました。
 通り4本に囲まれた1ブロック全部という広大な敷地が宮殿で,歩けど歩けど見えるのは宮殿だけでした。
チットラダー宮殿
(← チットラダー宮殿を囲むお堀の一つの角。このお堀沿いにひたすら歩いてきました。)

 宮殿とは言っても工場のような建物や,牛小屋など様々な建物があるようで,とにかく「広い」の一言に尽きました。

 宮殿の敷地が終わると,ワット・ベンチャマボピットというお寺が見えたのでそこに立ち寄りました。
ワット・ベンチャマボピット
(← ワット・ベンチャマボピットにて。)

 このお寺は別名「大理石寺院」と言い,その名の通り屋根を除いた建物のほとんどが大理石でできています。

ワット・ベンチャマボピット
(← ワット・ベンチャマボピットの本堂。「南無釈迦牟尼佛」と唱える私。)

 とても綺麗なお寺で,また本堂に安置されている仏像もとても綺麗でした。
 この仏像はタイでもっとも美しいと言われる北部ピサヌローク県にあるワット・マハタートの仏像を模したものらしいです。

ワット・ベンチャマボピット
(← ワット・ベンチャマボピットの本堂の裏側の回廊。床面も大理石で,建物が反射しています。この回廊には世界のいろいろな様式の仏像が安置されています。Japanese styleという仏像もありました。)


 
 次はいよいよドゥシット動物園です。
 タイの動物園はとても広いのですが,30バーツ(約100円)で入ることができます。
 ちなみに学割というのもあったのですが,学生だと言ったところ,タイ人の学生だけだと言われました。
 その日はたくさんの小学生や,幼稚園児のような子供たちが動物園に来ていました。
 年齢ごとに違う色の帽子をかぶっているのか,赤や青や黄色の帽子をかぶった子供たちで大変にぎわっていました。
ドゥシット動物園
(← 動物園の象のコーナー)

 動物園の案内図はこちらです。

 以前に行ったシンガポールの動物園のように,わりと檻が少ない動物園でしたが,動物たちも暑いのか,温泉のように首まで池につかっているホワイトタイガーや,コンクリートの上に寝そべってびくともしない猿,岩の陰に入って寝ているライオンなど,なにやら夏バテ(?)のような様子の動物たちでした。
 しかしタイと言えばこれ,という象やサバンナ出身と思しきシマウマなどは元気に活動していました。
 私たちも,もちろんとても暑かったのですが,バテ気味の動物たちや暑さにも負けず元気な動物たちを見て歩くのはなかなか楽しいものでした。

 さてその次はウィマンメーク宮殿です。
ウィマンメーク宮殿
(← ウィマンメーク宮殿の入り口)

 この宮殿はチーク材を使った建造物では世界最大だそうです。
 そしてラーマ5世の別荘として建てられたものだそうです。

ウィマンメーク宮殿
(← 王室用のトゥクトゥク)

 宮殿以外にもとても広い敷地の中にはたくさんの建物があり,また展示品も数多くあります。

ウィマンメーク宮殿
(← これがウィマンメーク宮殿)

 宮殿では9時45分から15時15分の間,30分おきに無料の英語ガイドツアーがあり,私たちもそれに参加することにしました。
 さて,ツアーに参加するには,もちろんまずは宮殿に入らなくてはいけないのですが,入るには靴を脱いで荷物をコインロッカーに入れなくてはいけないとのことでした。
 そこでロッカーに荷物を入れたのですが,その時そこにいた警備の人にカメラは持って行ってもいいのかと英語で尋ねました。
 すると彼がうなずいたので,それなら,とカメラだけは持って荷物を入れたのですが…いざ入ろうとするとカメラも預けるように,と止められてしまいました。
 そしてどうやら貴重品だから入れなかったと思ったらしき警備の人(たくさんいる)の一人は100バーツのデポジットを払って預かるところがあるから,そこに預けるように,と場所を教えてくれました。
 しかし100バーツを払おうにも財布はロッカーの中です。
 それを告げるとタイ人お得意のマイ・ペン・ライ(大丈夫,気にしないなどの意味がある)が飛び出し,別にもめるでもなくあっさりと預かってくれたのでした。
 そして無事ガイドツアーに参加することができ,王室の豪華な食器や調度品などを存分に眺めてくることができました。

ウィマンメーク宮殿 ウィマンメーク宮殿
(それぞれに宮殿の敷地内のいろいろな建物)

 私たちは見逃したのですが,この宮殿の裏側ではムエタイやタイ舞踊も披露される時間があるようです。

 ウィマンメーク宮殿を旧国会議事堂のそばの出口から出た私たちは,そのままその旧国会議事堂を見ていくことにしました。
 そして建物の外壁(壁と言ってもフェンスで中は見える)に沿って歩いていると,NO ENTRYと書いてはあるものの,そう書いてあるドアが開いている部分があったのです。
 そこでフェンスなしで写真が撮れる,ということでちょっとだけ中に足を踏み入れたところ…ほんの数歩進んだところで遙か遠くにいた警備の人たちに警告の笛を鳴らされ,望遠鏡のようなもので見られた後,すぐに出るようにと身振りで指示されてしまったのでした。
旧国会議事堂
(← フェンスの向こうが旧の国会議事堂)

 怒られたのですぐに出て,その前に向かっていた方に再び歩き出したのですが,私たちとすれ違うように遠くから警備員の一人がそのドアに向かって歩いて来て,しっかりドアを閉めていきました。
 というわけで,ただ外から見るだけのつもりだったのが思わぬハプニング(?)があった旧国会議事堂だったのです。


 旧国会議事堂の前には車が通っているので道路なのか,しかしほんとは広場なのか,と言った場所がありそこにはラーマ5世の騎馬像が建っています。
旧国会議事堂前広場 旧国会議事堂前広場のラーマ5世騎馬像
(← 旧国会議事堂前広場と,その中央にあるラーマ5世騎馬像)

 名君として名高いラーマ5世は篤い信仰を集めており,今もお参りに来る人が絶えないという話でしたが,私たちが通ったときも手を合わせている人が何人かいました。

   そこからは夕食をするのにサヤーム・スクエアまで戻ろうということになり,トゥクトゥクに乗りました。
 私は大変な方向音痴で,その時の私はサヤーム・スクエアまでそう遠くはないと思いこんでいました。
 そこでトゥクトゥクの運転手さんと値段の交渉をしたときに,彼はすごく遠いと言ったのですが,てっきりこの人は近いのに遠いと言い張って高い値段を言っているんだ,と思いこんで値切りに値切ったのでした。
トゥクトゥクの座席から見るタイの渋滞
(← トゥクトゥクの座席から撮影したタイの渋滞)

 しかし実際に乗ってみると確かに遠かったのです。
 う〜ん…なんだか申し訳なかった気もしている今日この頃です。

トゥクトゥク
(← お世話になったトゥクトゥクの後ろ姿)

 父はタイは初めてで,せっかくだから一度くらいトゥクトゥクに乗ってみたいだろう,ということで乗ったのですが,先ほども書いたように私は近いと思いこんで乗ったのです。
 しかし実際は結構な距離があったので,日本にいるときの1年分ではないか!?と思うような量の排気ガスを吸ってしまいました。
 こんなに遠いと分かっていたら,もっと別の機会に乗るという道もあったのですけどね。
 しかし確かにすごい量の排気ガスは吸いましたが,タイの渋滞やトゥクトゥク,そしてその排気ガスなど,タイの雰囲気を味わえるものの一つではないかと私は思っているので,まあ良しとしておきましょう。

マー・ブン・クロンセンター 17日の晩ご飯
(よくフードコートにご飯を食べにいったMBK(マー・ブン・クロン)センターと本日の晩ご飯。奥のものはよく食べたタイの焼きめしといった感じの「カオパット」)

---------- ivy line ----------

父上コラム

トゥクトゥクの値段交渉

 旧国会議事堂近辺からサーヤムスクエアまでのトゥクトゥクの運転手さんとうちの娘との会話(予想)

 「どちらまで。」
 「サーヤムスクエアまでだけど,いくら?」
 「100バーツだね。」
 「え〜っ,高い!50バーツにして。」
 「そんな安くできないよ。80バーツならいいけど。」
 「50バーツにしてよ。」
 「うーん,しかたない,70バーツでどう?」
 「まだ高い!50バーツにしてよ。」
 「いや,70バーツ。」
 「50バーツ。」
 「……」(う〜ん,しつこい客だ。)
 「……」(う〜ん,ねばる運転手だ。)
 「じゃ,60バーツでどう?」
 「OK」

 ということで,ねばりにねばって60バーツにまけてもらったのだった。
 しかし,かなりの距離を走った。
 ほんとにこれで60バーツでいいの?というくらいの距離だった。
 そして,1年分の排気ガスを吸ったのだった。
 だが,このトゥクトゥクの料金,とにかく交渉次第であるということを確認したのだった。

タイの女の子

 動物園で見かけた小学生とおぼしき女の子たち,結構ピアスをしている子がいた。
 そうか,「ところ変われば,品変わる」だなと感心した。
 前にスウェーデンに行ったときもそうだったが,母親は女の子たちにきれいであるようにと,いろいろと配慮をし,そこでも小学生の女の子たちがピアスをしていた。
 タイでも学校ではピアスなんて特に問題になっていないんだろうなあ,と思った。
 ちなみに,学生で茶髪(あるいは金髪)に染めているものはほとんど見かけない。
 みんな黒髪をなびかせて歩いている。
 日本人を含めてアジア人にはやはり黒髪が似合うなあ,って思うのは偏見?

仏教徒の作法

 同じ仏教でも,仏様に対する礼拝のしかたは国によってちがうのだと感心した。
 タイでは男性は正座,女性は膝をくずして座るらしい。
 それから,礼拝のあとの作法も異なっている。
 また,いずれの寺院でもタイ人は無料で入れる。
 考えてみれば当たり前だ。
 観光ではなくお参りなのだから。
 日本では観光は有料だが,参拝は無料というところはあるのだろうか?(きっとあると思うけど)