ロンドン旅行印象記

 九七年夏、ロンドンに行く。往復の飛行機と、泊まるホテルだけを予約して行く。毎朝ホテル近くの駅から地下鉄で出発し、夕方同じ駅に帰ってくる。
 一番上手になったこと、それは赤信号を無視して横断歩道を渡ること。みんな左右を確認して、車が来ないようならさっさと渡る。青になるまでゆっくり待つのは日本人の我々くらい。で、三日目くらいからは左右を確認して、赤信号でも渡るようになる。そのときは自分の判断と責任で渡る。安全確認と、自分の身を守ることは自分の責任らしい。そんなお国柄なのかもしれない。
 ロンドンには公園や緑地がたくさんあり、しかも広い。端から端まで歩けば地下鉄の駅二つ分くらいすぐ過ぎる。森の都金沢といっても公園は本当に狭い。金沢の中央公園など鳴和中の校地より狭いだろう。それでも中央公園と名が付く。ロンドンでは広い公園で皆のんびりする姿が印象的だった。
ビッグベン  若者たちの恰好は何でもあり。おへそ出して、そこにピアスして、髪の毛いろいろな色に染めて、いろんな服着て、みんなそれぞれ好き勝手。しかしそれがなぜか似合ってる。他人の目を気にするより、自分自身で楽しんでいる。しかもみんな生き生きとした表情をしている。
 大英博物館をはじめとしていくつかの公共の建物は入場無料。何回でも入れるし、ご飯を食べに外へも行ける。 それから入場料に「大人」「子ども」のほかに「家族」というかたちのある施設もあった。大人一人、子ども三人または大人二人、子ども二人、合計四人の割引チケット。家族連れにはうれしい割引だ。
 グリニッジに向かう鉄道、改札口もなければ係員もいない。おまけに運転手なしの自動運転。切符を買って勝手に乗る。切符を買わなくてもわからない。しかし信用の問題。乗客を信用した上での運営をしている。
 まだまだたくさん印象に残ったことがあったが、一番感じたのは英語をもっと勉強しておけばよかった、ということだ。

(鳴和中学校 学校文集「なるわ」職員随想 1998年3月)

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