8ページ【5日目】
この日は特に外に出かける予定はなく,1日のんびり過ごす日。まさしく「PURA VIDA」の日。
自称「敬老会」の我々4人は朝ごはんを済ませたあとふらりとご近所の散歩に出かけたのでした。
左はこの離れでいつも使っている料理のための塩,オリーブオイル,酢。
この塩の容器,コスタリカの標準らしく,レストランでもたいていこの容器の塩がテーブルに置いてありましたね。
湿度の高い国なので,塩はこのままではあっと言う間に湿気ってしまうので,いつも冷蔵庫に入れていました。
右は毎朝律儀にやって来るハチドリ君。
やって来る木は2本あり,これは離れに近い方の木で撮影。
さて,散歩に出かけるとこれまた道ばたの植物ばかり撮影。
ほんとに色とりどりの花や木。
しばらく歩いていくと教会が。こぢんまりとしたカトリックの教会です。
日本で言えばどの町にも神社があるみたいなものですかね。
右は道路沿いにあるゴミステーションというのか,各家庭のゴミを集めておくところ。
日本のようにカラスがやって来て袋をつつくなんてことはありません。
なにしろ周り中に食べきれないほどの美味しい木の実や果物があるのだから,人間の残したものをつつく必要はないのですね。
さらに進むと小学校が。
この日7月25日は「ニコヤ党によるコスタリカ併合の日(Anexion del Partido de Nicoya a Costa Rica)」という祝祭日で,金曜日でしたが学校はお休み。
そのため,散歩していると,各家庭では小さな子供達を見かけます。
右は途中で見かけたお宅があまりにも門柱が立派でしたので撮影。
門柱の上にライオンの置物がまるで狛犬のように,あるいは沖縄のシーサーのように鎮座。
ほとんどの家は必ず塀でしっかりと囲まれ,たいてい放し飼いの犬がいて,通りかかると吠える犬多数。
治安意識のせいか,欧米的な個人主義的発想か,日本の大部分の町並みで見られるようないくらでも敷地内に侵入できますというような家はまずありませんでした。
さて,歩いている途中に町のコンビニといった感じの小さなスーパーマーケット発見。
ここでちょっと休憩。
店の中を見ると必要なものはいろいろとそろっているようです。
店頭にはバナナがぶら下がり,右にはニンニクが。
陳列棚には「マルちゃん」が並んでいましたね。
「instant lunch」とあります。7〜8種類くらいのものがありました。
たとえば左は「sabor a queso」(=チーズ風味),その隣は「sabor a pollo piccante」(=スパイシーチキン風味)といった具合。
「con camaron」(=エビ入り)なんてのもありましたね。
コスタリカではこの東洋水産の「マルちゃん」と日清食品の「カップヌードル」の2つはよく見かけた。
右は家庭の必需品,豆と米。
その値段を見てみると豆は700g1150CRC(約400円)。
それに対して下の段に並んでいる米は1800g1400CRC。この年日本では米の価格高騰が大きな話題になっていましたが,5キロに換算してみると約3900CRC,1300円だからずいぶん安い。日本の米が5キロ4000円以上だなんて,どうなっているんだか。
左は牛乳。コスタリカの牛乳はほぼこのような形で紙パックで栓ができます。そして常温で売られています。常温保存が可能ということです。
ちなみに1L入りがここでは950CRC(約320円)なので,お高めとも言えますが,飲んでみると実に濃厚で美味しい牛乳でした。
真ん中はいろいろな缶詰め。
右は冷えたビール。
ここでimperial」のデザイン缶を見つけたので,これを購入して店頭で4人で休憩。
このときの購入品,ビール「imperial」1000CRC,アイスクリーム725CRC,ニンニク1個200CRC。締めて1925CRC。
さてこの散歩のハイライトは何といっても「玉子売り」。
このスーパーマーケットの店頭で休んでいると,遠くから賑やかな音が。何だこれは,何を言っているんだ??(スペイン語なのでもちろんわからない)
で,近づいてきたのがワゴン車の玉子売り。
一人が開けたドアに座ったままで,ワゴン車が通り過ぎて行く。
おにいさんがこちらに向かってサムズアップ!PURA VIDA!
日本なら焼き芋やら豆腐やらもあるけれど,それはかなり悠長な売り声。しかしこの玉子売りの賑やかでアップテンポなことったら。勝手に訳すと……
「たまご,たまご,たまごはどうだい??」「たまご,たまご,たまごが安いよ」「たまご,たまご,たまごを買わないかい」「たまご,たまご,たまごがお買い得」ってな感じで,日本でいえば選挙の候補者の連呼みたいな感じでしたね。
動画で撮っておくんでした……
ということで午前中のお散歩は終了。
あとはお昼ご飯と昼呑みとお昼寝。
PURA VIDA!
お昼寝から目覚めるとすぐにみんなが声をかけてくる。
「イグアナがいるよ!」
なんと,自宅の庭の木に野生のイグアナが住んでいるんですね。
ハチドリといいイグアナといい,テレビでしか見たことのない生き物の実物が,しかも野生が,しかも自宅の目の前にいます。これぞコスタリカ。
この旅の途中で知った言葉「PURA VIDA」(プーラ・ヴィーダ)。
コスタリカ入国後数日経ってからはことある度に「PURA VIDA」と言いながら旅をしました。
(↑ ファン・サンタマーリア国際空港の壁面のディスプレイ)
(← お土産屋に並ぶ「PURA VIDA」のプレート)
「PURA VIDA」とは英語に直せば「Pure life」つまりは「純粋な人生」ということになりますが,単にそれだけの意味のスペイン語ではなく,コスタリカ独自の,コスタリカならではの意味を持っているようです。
「純粋な人生」なので,いわば「ありのままの生き方」であったり,「自分らしい素晴らしい人生」といった意味を含み,いろいろな場面でいいことを表現する時に使われています。
元はメキシコ映画の中に登場したセリフらしいのですが,この言葉がメキシコで流行したのではなく,コスタリカで流行し,そして定着したらしいです。
町中のいろいろなところに「PURA VIDA」とありますし,お土産物にも「PURA VIDA」と入っているもの多数。
ファン・サンタマーリア国際空港の壁面は「PURA VIDA体験の入り口」といった表現が。
コスタリカでこの言葉が広まった理由には,やはり豊かな自然があり,また,治安もよく,心にゆとりがあるからなのかもしれません。家にハチドリがやって来たり,イグアナが住んでいたり(母君の家),庭に食べきれないほどの果物がなっていたり(近所のお友達の家),日曜日になれば村祭りか!(と思うような)「ランチョ ラゴス・ホール(旅行記11ページ)」があったりと,せこせこしなくても,たくさんお金がなくてもそれなりにいい人間関係が築けていて,まあとにかく心にゆとりがある感じでした。
それと,なんとなく前向きで「まあなんとかなるさ,このままでも。」みたいなところもあるのかもしれません。
そしてこの言葉は単にスローガンのように使われるのではなく,いろいろな挨拶や会話の中で,相づちなどでも使われるようです。
「元気?」「大丈夫だよ」「最高!」など,様々な前向きな感情を表現する場で使われるようです。
人生を純粋に楽しむことや,自然の恵みを享受しながら身の丈にあった生活を送る,といったコスタリカ人の価値観や過ごし方を表す言葉でもあります。
なので,日本からやって来た我々も数日後からは何かと「PURA VIDA」と言って旅していました。
昼ごはんにビールを呑んで,昼寝したら「PURA VIDAな生活した。」とか,レストランで美味しいもの食べたら「美味しかった!PURA VIDA!」とか言っていました。
なにしろこの旅はそもそもせわしない日程ではなく,適当に「明日何する?」みたいな感じで過ごしていましたので,まさしく自分にとっては「PURA VIDA」でした。
いや,なにかにつけてはビールを呑んでいたのが「PURA VIDA」でしたのかもしれません……
(↑ ラ・フォルトゥーナ(La Fortuna)のメキシコ料理のレストランの看板。
10秒で覚えるコスタリカのスペイン語!)
(↑ ファン・サンタマーリア国際空港の壁面のディスプレイ)
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