満腹探検隊
満腹探検隊の探検先:居酒屋 戎(えびす)

分類:和食 所在地:大分県別府市元町(別府やよい商店街(やよい天狗通り))
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探検時期:2013年7月  今回の探検目的:宴会
今回のお品書き:いろいろ食べて飲む  今回の所要経費:3100円
探検隊の報告:
 ここはおすすめの居酒屋である。理由は単純,美味しく食べられて,楽しく呑める店だからである。
 別府3日目の夜である。この日の研究会が終わって温泉巡りをするわけではなく,一人で居酒屋巡りである。たくさんあちこちの居酒屋を巡ったわけではない。単に飛び込みで入ったのがこの店であり,そして,おすすめの居酒屋だったわけである。
 この店のあるのが,正式名称はやよい天狗通りと言うのか,やよい商店街と言うのか,やよいアーケード街と言うのかはわからない。しかし,とにかくこの通りに沿って駅前通りを隔てた北側に泊まったホテルがある。ホテルを出て目の前の通りをひたすらまっすぐ南に向かって歩くと,このやよい商店街のあるやよい天狗通りにたどり着くのである。前々日にはお祭りをしていたようで,この通りのシンボルであるらしき大きな天狗の前で片付けをしていた。この日はすでに何もなかったかのように天狗様が鎮座している。
 この店に着いたのが,午後5時半過ぎ。まだお客は誰もおらず,開店の準備中でもあったようである。「いいですか?」と聞くと,「どうぞ,どうぞ。」とのこと。おかあさんとおねえさんが2人いる。カウンターの端っこに座る。おかあさんが「暑かったでしょう。とりあえずきゅ〜っと冷たいのあげるわね。」と言って,いきなりジョッキに生ビールを注いでくれる。おっと,一人居酒屋だから瓶ビールにしようかと思ったのだが,まあいいや,これもまた一興かと思い,今夜は生ビールである。(生ビール550円也。)
 おねえさんもまだ着替えてなかったらしく,仕事着へと変身。その間におかあさんが付き出しで,里芋を出してくれる。いわゆる「きぬかつぎ」ってやつである。
 着替えが終わり,仕事着になったおねえさんがいろいろと相手をしてくれるのだが,あっと言う間に素性がばれる。この日同業者2000人以上がビーコンプラザに集まっており,県外のものはきっとこのあたりや大分市にたくさん宿泊しているはずである。その情報は筒抜けで,すぐに業種が特定されてしまう。まあ,ウソ言っても仕方ないので,正直に金沢から来たことを言う。
 さて,注文は何と言っても大分名物「とり天」である。とり天の下味の味付けの仕方,タレの調合などはその店その店の特徴あるものとなっている。まあ,それは当たり前だが。しかし,家庭でとり天を作るための「とり天セット」なるものも見かけた。確か,タレ,下味の調味料,衣の小麦粉の3点セットだった。
 この店は注文を受けてから鶏に下味をつけるらしく「ちょっと待ってくださいね。」とのことだった。つけダレはおねえさん作らしい。おねえさんが言うには「鶏肉はじっくり下味につけてもんで,おかあさんのおっぱいくらいの柔らかさにするのよ。」とのことだったが,おかあさんのおっぱいの柔らかさの程度がわからない。とにかくおねえさんは「この店のとり天は美味しいからね。」とアピールする。
 確かにできるまでに時間がかかるが,その間おねえさんがこの店で使っている器について説明する。小鹿田(おんた)焼きというらしく,大分県日田市の山あい,皿山を中心とする小鹿田地区で焼かれる陶器であるらしい。「飛び鉋(かんな)」とかいう技法で模様をつけ,それが見せてもらったような模様の陶器として仕上がるらしい。日常的に使う器だが,おねえさんは気に入ってるらしく,よく陶器市などにも買いに行くとのこと。安いものもあれば,高いものもあり,見せてもらった皿の一つは1枚1万円らしい。
 この右側のが1万円だったかなあ。
 お銚子もこんな感じで飛びかんなの模様がつく。
 右小さなぐい呑み。お酒の中で蛙が泳ぐ。
 右カウンターの上の様子。こうやっておかあさん手造りの料理が小鹿田焼きの大皿に載っているのだった。これきっとキュウリとタコの酢の物。左にはナスとピーマンの煮びたし。
 右下隅には先ほどの蛙のぐい呑みが写っている。
 さて,出てきた「とり天」は実に美味い。(とり天650円也。)もちろん揚げたてということもあるし,やはり衣もタレも美味い。衣も薄からず厚からず,中の鶏もほっくりである。ほくほくの「とり天」はビールが進む味である。連日「とり天」を食べているのであるが,やはり作り手が目の前にいて,じっくり調理をしてくれていると思っただけでも味は一段と美味しくなる。
 とにかく楽しく呑める理由は,おねえさんが適当に相手してくれるからである。つかず離れずで,適当な話題で相手をしてくれる。途中から単身赴任で長く別府に住んでいるらしいこの店のご常連さんが入って来る。こちらは「とり天」の段階でジョッキは2杯目。
 おねえさんはひたすら接客,おかあさんは厨房でひたすら料理である。ご常連さんにはサラダが出てくる。そのあと作っていた料理が大皿で出てきたが,それがとても美味しそうだったので,「これちょうだい。」と言って,いただく。ゴーヤなどの夏野菜の味噌炒め。いい味である。この味付け一つとってみても,この店の料理は美味しいということがわかる。
 途中おかあさんが出てきて「ニガウリはいかがでしたか?」と聞くので,「とっても美味しいですよ。」と答える。いよいよ生ビールも3杯目である。この店はジョッキは片付けずにそのまま空で置いておくらしい。
 途中で温泉の話題になり,おねえさんが「ぜひとも竹瓦(たけがわら)温泉を見てきてください。」と言う。「とっても歴史ある建物ですよ。道後温泉もこの建物をまねたんじゃないかっていうくらいに立派な建物です。」とのこと。そして,場所を教えてもらう。「だけどね,まわりが風俗店だらけ。中学生にね,この建物見に行ってください,って言えないような場所なんです。」ということだった。
 さて,外はまだまだ明るいのだが,吉田類じゃないけれど「もう一軒行きますか。」って気分だったので,先ほどの竹瓦温泉を見てからもう一軒行くこととする。もうちょっとこの店でねばってもいいかなっていう,いい店だった。
 それにしても竹瓦(たけがわら)温泉はすごい建物である。いやはや,この建物のこの温泉の入浴料が100円とは。さすが温泉の町である。まあ,確かにこのあたりを歩いていると,明るいのに何人もの客引きに声をかけられる。茶色い由緒ありげな建物の周りがみんなピンクのネオンサインの建物というのはいただけない。これだけはよけいだ。
 しかし,別府はまさしく温泉の町だ。ホテルの向かいにあった市営の海門寺温泉も100円だし,あちこちで100円で温泉に入れる。昨日立ち寄った「寿司割烹 たつのや」に行く途中に見かけた別府駅近くの「不老泉」なんて,公民館と集会場の建物と温泉が一緒だった。
 そうそう,「戎」のおねえさんも言ってたなあ。「家にお風呂のない人も多いんですよ。」って。「回数券を買えば,1回40円くらいだし,家にお風呂があったとしても,家の風呂の掃除とか,保守点検などを考えたら温泉に行くのが一番なのよ。」
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探検隊おまけの報告:今回は特にありません。

−−−お箸の仕切り線2 箸袋つき−−−
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